経験の円錐とはエドガー・デールという教育学者が1969年に発表した「学習効果の円錐（三角形）」というものです。

　学習に関心のある方ならご存じかしれません。下図のようなものです。

　画像には円錐が移っていないのですが上に行くほど記憶に残るという結果です。要は本を読んだり人から聞いたりしたことは二週間後には２０％以下しか頭に残っていないということですね。そして、一番記憶に残るのは真似したり、実際に体験することになっています。

　この【経験の円錐】について学校での勉強に対してはどうなのかという意見もあります。確かに暗記の強い生徒は本を読んだだけで理解して良い成績を取られる方も一部おられます。

　ただ多くの生徒は学校の先生から１日に何時間も教科書を使って教えられているにも関わらず、全員成績が高いわけではありません。ですから「読む・聞く」だけでは学力が上がるのは難しいでしょう。

　【経験の円錐】はスポーツに当てはめるとわかりやすくなります。

　例えばサッカーを初めて見て好きになった少年が、自分もプロのサッカー選手になりたいと決めたとします。この少年がサッカーの本を何回も読んだり、人からやり方やルールを何回も聞いただけで一度もボールを蹴っていない時点では選手どころではありませんね。

　ルールを知るのは大切ですが実際にボールを蹴って身体を動かして練習しないとサッカーの技術は身につきません。またテレビやYouTubeでサッカーの試合やプロのプレイ映像を見ただけでも上手くはなりません。実際プロの選手と同じ動きをできるようには何回も練習が必要です。

　表ではテレビや現場を見ると二週間後に記憶に残るのは５０％とありますが、練習してから自分の弱点に関した映像を見ると自分に関心の有ることなので５０％以上記憶に残ると思います。

　サッカーについて練習を重ねたり、細かなルールを覚えていくと他の人にも教えられたりできますし仲間と話し合うことでさらに技術の向上が臨めます。

　そして試合等に出れば練習以上に記憶に残るでしょう。試合の結果に関わらず、試合を通して培ったことは次の練習や試合に生かせます。

　スポーツに例えれば本を読んだり、テレビで見ただけではサッカー選手になれないのは明らかですね。

本日は以上です。

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