多くの塾のチラシやHPを見ると中学生の授業料は１科目で１ヶ月１～４万円程度に設定されています。果たしてこの授業料で塾の経営が可能なのでしょうか？

　仮に中学２年生で２科目で月に25,000円もらうとします。１０人で２５万円、３０人だと７５万円で４０人だと１００万円です。

　ここから各経費を引いてみましょう。

　まず大手のフランチャイズの塾の場合、ロイヤリティを支払う必要があります。大体売り上げの１０％になります。次にテナント料です。自宅でできればいいのですが、公文や学研と違って中学生の塾は駅前や通学路の途中または生徒が住んでいる住宅の近くに教室を構えないと来てもらえません。こちらも都会や地方などで様々ですが少なくても２０～５０万くらいは必要になります。そして人件費が必要になります。個別指導ならアルバイトの学生へのバイト代、集団塾で先生を雇用しているなら給料を払わないといけません。

　さらに電気代、教材費、チラシ代、ポスティング代等出費が重なります。塾での経費はロイヤリティ、人件費、テナント費が大きく占めこれらは減らすことは難しいでしょう。

　かといって月謝を上げると他の安い塾に行ってしまうのではとの不安が生まれます。またフランチャイズの塾なら勝手に授業料を変えることもままなりません。

 　ですから生徒が学校に通っている月の授業料でも黒字が出るように全国の塾長様達は集客に全力をかけています。それでも中々資金繰りが厳しい状況です。

　そこで登場するのが季節講習による特別授業です。要は夏期講習や冬期講習で月謝の何倍もの講習費を徴収して利益を上げるわけですね。この季節講習費はほとんどの学習塾で大きな収入の柱となっています。

　夏期講習は約４０日間の夏休みの内、５～２０日間程度講習を行います。講習と言ってもそれまでの復習と２学期の予習になります。２，３年生で成績の低い生徒や、希望進路校の学力に届いていない生徒は学力を上げる機会ですね。　また普段は部活や習い事で勉強できない(またはしない)子どもたちにも勉強させる絶好の機会ですので、保護者としても夏期講習はありがたいのではないでしょうか。

　塾としては上記の様な志望校に学力を上げたい生徒、普段勉強しない生徒に向けて様々な媒体で夏期講習を案内します。

　そしてこの５～２０日間という普段の１ヶ月より短い期間で生徒一人当たり５～５０万円ほど稼ぐわけです。夏期講習の日数や時間は塾によって様々ですが大手ほど講習費が高くなります。また個人の塾でも生活がかかっているので色々な講習内容を加味して夏期講習でできる限り稼ごうとします。

　中学３年生や高校３年生ならともかく中学１，２年で１０万以上もかけて夏期講習を受けるのは止めた方が良いと私は思うのですが、あまり塾に詳しくない保護者の方は何か特別な勉強方法で教えてもらえると思い夏期講習に参加されます。しかし勉強に魔法があるわけではなく、学校のある月は１～２時間の通塾時間が３～８時間程度に増える感じです。もちろん勉強時間が長くなるので効果もあります。

　普段の月謝が安い塾はこの夏期講習で稼がないとほぼ経営が成り立たないと言っても過言ではありません。上手くいけば１ヶ月で５～１０倍以上稼げるわけです。

　また冬期講習も大事な稼ぎ時です。特に受験を控える中学３年生は高校入試の追い込みと称して実質１週間～１０日間程度の講習に何十万円も請求します。この時点で逆転合格なんてほぼ無理なのですが、志望校に学力が届いていない生徒や保護者は何とか合格したい一心で冬期講習に申し込むわけです。

　塾としてはもちろん必死に教えますが、お金も稼げるのでこちらの募集も懸命に行います。

　塾業界は廃業率が高く地域によりますが毎年３０％廃業するというデータも出ています。

　原因は簡単で売り上げが上がらないという一点です。

　まず生徒が集まらない。大手のフランチャイズなら宣伝効果は高く新規開店しても生徒の集客力はブランドに物を言わせて集めます。個人の塾は知名度が最初はゼロなのでとにかく宣伝に力を入れないといけません。

　また先程から述べているとおり普段の月謝を安くして集客している塾は大手、個人に関わらず夏期講習や冬期講習で稼がなければなりません。

　まず現在通塾している生徒に季節講習の参加を勧めます。たいてい選択式なのですがひどい塾では強制的に参加させるところもあります。なにしろ参加してくれないと利益が出ませんからね。そして新たに夏期講習に新規で参加する生徒も募集します。こちらは新聞折り込みやポスティング、最近はネット広告でもよく宣伝されていますね。

　普段は１～４万円の月謝が５～５０万円になるのですから、塾としても何とか生徒を集めようと必死です。ここで生徒が集まらないと売り上げも上がらず廃業の危機に陥るわけです。

　ロイヤリティは売り上げで変動しますが、テナント料が固定の場合や人件費は売り上げが下がっても払わないといけないので、一気に経営が厳しくなる場合があります。

　ですから生徒に教える力も大切ですが、それ以上に宣伝力、集客力そして営業力が必須になります。

本日は以上です。

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指導対象小学校：旭森小学校、佐和山小学校、城東小学校

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